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センターの6次化事例
2018年12月12日

『未利用資源を活用して商品を開発したい』


事例17


西幸水産
西條 幸正 さん (石巻市北上町十三浜)

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『未利用資源を活用して商品を開発したい』

事業者:西條 幸正 さん (石巻市北上町十三浜)

主な販売先:イベント等催事販売

取組後の成果:自身の想いを形にした商品に
       「おいしい!」という評価をいただいた

6次産業化への取組:わかめ出荷時に発生する
          未利用部位を使っての麺の開発

 

※石巻市6次産業化・地産地消推進センターを、
 以下より「6次化センター」と表記いたします。

 


6次化センターへのご相談のきっかけ


『震災後にわかめ養殖を開始。わかめの未利用部位を活用したい。』

 震災前は牡蠣をメインとした漁業を営んでいましたが、震災の影響でこれまでと同様の牡蠣の生産が難しくなりました。そこで、わかめの養殖に主軸を切り替え再スタートしました。わかめ生産は、実はみなさんが思っている以上に、廃棄する部分が多く出ています。食卓でもよく目にする「めかぶ(わかめの根本)」。実はあまり利用されない部位です。この未利用部分を有効利用し、商品としての価値を持たせることができたらと思い、私の6次化がスタートしました。6次化センターには、この初めての6次化への挑戦にあたり相談に乗ってもらいました。

 


西條さんと6次化センターの取り組み内容


『構想から実現へ。わかめの粉末を練り込んだ「麺」を作る。』

 構想として、わかめの葉、めかぶを粉末にして練り込んだ「麺」、塩蔵わかめ製造の際に出る塩を利用した「エステ用の塩」、そしてわかめを利用した「ふりかけ」がありました。しかし、初めての商品づくりということもあり、まずは1つに絞って取り組もうということになり、自身で最も想いの強かった「麺」づくりにチャレンジしました。

 わかめの葉の部分とめかぶを粉末にして麺に練り込めば、ツルっとしたのど越しの良い麺ができるのではないか。そう思い、6次化センターの方に相談しました。その後、6次化センターの方には、わかめを粉末にしてくれる業者さんを探していただき、早速試作を行ったところ、イメージに近いものができあがりました。

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海からあげたばかりのわかめ
西條さんはこの「めかぶ」の有効利用にチャレンジした。

 


6次産業化に取り組んだ成果


『「おいしい」その声が一番うれしい』

 この取り組みにより「めかぶわかめうどん」が完成しました。やはりこの商品をお客様に「おいしい!」と言っていただけるのが一番の成果です。あれこれ試行錯誤してやっと出来上がった商品を評価していただけるのは、やはりとても感慨深いものです。今は、イベントなどへ出店し、自らこの麺を調理してお客様に提供していますが、今後はもっとたくさんの方にこののど越し、美味しさを味わっていただきたいので、道の駅などにも展開していきたいですね。

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「めかぶわかめうどん」

 


6次化への取り組みで苦労する点


『これまで関わりの無かった業界との繋がりを作ることが大変だった』

 製麺所探しに苦労しました。6次化センターの方にもいろいろな業者さんをあたっていただきました。いざ、試作を作っていただける業者さんが見つかっても、わかめの粉末を麺に練り込むという作業は業者さんとしても初めての試みなので、思うように麺が成形されず、ポキポキ折れてしまったりしました。納得のいく麺を作っていただける業者さんにやっと出会い、試行錯誤の末作ることができました。

 これまで漁業を営む中では関わりがなかった業界と初めて繋がろうとする訳ですから、初めは苦労しましたね。しかし、新たな繋がりが生まれたのも事実です。結果的に、仮に何かトラブルがあってもすぐ駆け付けて対応できるようにということで、地元石巻の近くの製麺所さんにお願いすることになりました。

 


販売商品への想い・こだわり


『未利用資源の有効活用。新たな価値を生み出す。』

 利用せず捨ててしまうわかめの部位の多さに、ずっと何かできないか?と思っていました。未利用資源の有効活用。やはりこの観点から取り組んだということが、今回最も思い入れが強い部分です。これまで捨てていた部位に新しい価値を見出し、商品として生まれ変わらせることができたことによる、嬉しさと達成感があります。

 また、お客様にもこう言った点をご理解いただきながら食べていただけるといいなと思います。ちなみに、私のおすすめの食べ方をご紹介します。この麺の特徴であるツルっとしたのど越しと、コシの良さを残すため、茹で時間は短めの4分。夏場は冷麺風や冬場は暖かい出汁で、また、魚介系パスタ風に仕上げたり、鍋のシメにしたりと使い方は様々です。麺にしたことで、めかぶをより楽んでもらえるとうれしいです。

 

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夏にイベントで提供しためかぶわかめうどん(冷)

 


6次産業化を検討している方々に伝えたいこと


『誰もやったことのないことへチャレンジしてみよう』

 「6次化」と言うと、農産物を素材にしたもののイメージが強く、実際海産物での6次化はなかなか難しい部分があります。(素材そのもので競争できる部分が多いのも事実ではありますが。)そんな中で必要となるのは、他にはない新しい発想ではないかと思います。誰もやったことのない新しい分野に踏み込むのは、なかなか勇気がいります。でもその思いを行動に移す行動力も「6次化」には必要だと私は思っています。その一歩が、その浜の特産品に繋がるかもしれない。後継者が生まれるかもしれない。そして子どもたちに浜の良さを伝えていくことができるかもしれない。まずは考え、そして動いてみて欲しい、そう伝えたいですね。

船の写真
手前に大きく写るのが西條さんの漁船

【明るさ補正】saiko-113 saiko-109
早朝に海へ出て、わかめを収穫する。