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センターの6次化事例
2018年7月26日

『地元企業の食材を使用して高付加価値商品を開発したい』


事例13


株式会社カネシン

代表取締役 中野賢二さん(石巻市松並)

 

株式会社カネシン 中野賢二さん

株式会社カネシン
中野賢二さん

新商品の「つけ魚茶漬け」

新商品の「つけ魚茶漬け」

 

『地元企業の食材を使用して高付加価値商品を開発したい』

事業者:中野賢二さん

水産物加工業:ぶり、かれい、赤魚、銀鮭、真さば、銀タラ、真鱈など

主な販売先:百貨店ギフト 空港 いしのまき元気いちば 自社HPなど

 6次産業化への取組:石巻市の農産物や水産物を使用した新たな加工商品の開発取組後の成果:関東の展示商談会出店後、JRやその他土産品店などから取引の話が来ており、現在商談を継続している。カネシン=漬け魚というイメージを良い意味で変えてきており、既存商品と新商品の相乗効果が生まれた。

※石巻市6次産業化・地産地消推進センターを、以下より「6次化センター」と表記いたします。

 


6次化センターへのご相談のきっかけ


『既存商品とは異なる温度帯の新商品を開発し、新しい販路開拓を図りたい』

 自社既存商品として「冷蔵品」「冷凍品」はあったのですが、ここに新商品として「常温品」を投入したいと考え、6次化センターに相談しました。そこで皆でアイディアを出し合い「つけ魚のお茶漬け」という案が出て、「これは面白い!」と思いチャレンジすることになりました。フリーズドライ加工をした魚を使った、インスタントのお茶漬けは、よく市場にも出回っていますが、「つけ魚」をそのままお茶漬けにするというこれまでなかった発想で、ワクワクしながらチャレンジすることにしました。

 

 


中野さんと6次化センターの取り組み内容


『他分野の方々とのつながり、そこから始まった新商品づくり』

 新商品開発を行うにあたり、お茶漬けのトッピングやだしの部分で、石巻の地場の素材を使おうということになり、6次化センターの支援員の方々から様々なアドバイスをいただきながら、「石巻市6次産業化・地産地消推進助成金」の取得に取り組みました。今回は、石巻市内の他分野3事業者さんにご協力いただいて、この「つけ魚茶漬け」づくりに取り組むことになったのですが、これまで関わりの無かった分野の方とのものづくりは、新たな発想の連続でした。

 

 


6次産業化に取り組んだ成果


『他業種との連携により生まれた新しい商品、その新たな価値』

 完成したばかりの「つけ魚茶漬け」を携え、今年2月、全国規模の商談展示会「スーパーマーケット・トレードショー」(幕張メッセ)に宮城県のブースで出展しました。日頃は、市場(いちば)などが自社のマーケットでしたが、自分たちが知らないマーケットのバイヤーの方からも「面白い商品だ」ということで声をかけていただき新商品の可能性に気づかされました。これをきっかけに、新しいマーケットを開拓しながら、商品としてもじっくり時間をかけて育てていけたらと考えています。

 また、その先には輸出も検討しています。例えば香港は、家庭に魚焼きグリルが無いのが一般的なので、既存の漬け魚ではあまり家庭での消費は望めませんが今回の「つけ魚茶漬け」なら手軽に家庭で魚を楽しんでもらえるのではないかと。

 そして、この新商品を通して、既存の「冷蔵品」、「冷凍品」も対応できる新たな商圏が見えてくることも期待しています。「つけ魚茶漬け」から、既存商品にも興味を持ってもらえる、そんな相乗効果が生まれるよう展開していきたいです。

 


6次産業化への取り組みで苦労する点


『取り組む前のイメージと実際の製造とに差があった』

 企画段階で、お茶漬けの話が出たときはイメージがすぐにでき、面白そうで取り組んでみました。

 しかし、実際取り組んでみると、味、色、レトルトの方法、魚の切り身の厚さ、具材の調達など様々な課題が出てきました。魚の切り身については、これまでも加工を行っている分野でしたが、「お茶漬け」にベストな厚みを出すには、かなり苦労しました。その際は、水産加工研究所さんにもご協力いただき、何度となくテストを重ねました。また、つけ魚以外の具材については、自分たちが得意とする分野外のものですので、調達するにもわからないことが多かったのですが、6次化センターの支援員の方にご相談させていただき、石巻の関係事業者さんを紹介してもらい、新たな分野の技術などを取り入れながら前進してきました。

 今回、商品として完成させるまでの経験から、新たなものを作るには、従来のやり方や知見にプラスαが必要であることに気づきました。

 

 


販売商品への想い・こだわり


『自慢のつけ魚、地元石巻の素材を使った自信作です』

  今回のお茶漬けは3つのラインナップですが、すべて美味しいと自信を持って出せる商品が出来ました。味は金目鯛のねぎ塩麹漬け、鮭のねぎ味噌漬、金華鯖のほぐし身花小えび入です。どれが一番好きとは言い難い、どの味も私は好きです。すべて違う良さがあるのでぜひ試していただきたいです。

「つけ魚茶漬け」 (左から)金目鯛のねぎ塩麹漬け、鮭のねぎ味噌漬、金華鯖のほぐし身花小えび入

「つけ魚茶漬け」
(左から)金目鯛のねぎ塩麹漬け、鮭のねぎ味噌漬、金華鯖のほぐし身花小えび入

石巻の地場のねぎや海苔の香りが、おいしさを一層引き立てる

石巻の地場のねぎや海苔の香りが、おいしさを一層引き立てる

株式会社カネシンさんの社屋

株式会社カネシンさんの社屋

社屋内加工場 自社商品のパッキングを行っている様子

社屋内加工場
自社商品のパッキングを行っている様子

 魚は骨もなく、魚の厚みもお茶漬けに合うように調整に調整を重ねました。地元海苔屋の干し海苔の香りがまた抜群です。まずは香りを味わい、次に味という順番で楽しんでいただきたいです。ねぎは6次化に取り組んでおり、加工やカフェまで手がけている石巻の農家である深谷農産さん自慢のネギを使っています。

 

 


6次産業化を検討している方々に伝えたいこと


『とにかくチャレンジ!それが持論』

 「チャレンジ」です。まずやってみることだと私は考えます。私は社内でも、日頃から社員の意見をくみ取り、とにかく「チャレンジ」しています。そして例えそれがまくいかなくても、何が悪かったのかを反映させ、またやってみることができれば、それで良しと考えています。

 6次化においてもそれは同じです。自分だけではなかなか生まれてこないような発想も、他分野の方とコミュニケーションをとることで可能になります。また今回、この新商品開発で生まれた縁ですが、今も続いており、常に様々な分野の方とコミュニケーションをとっています。ここからまた何か新しいものが生まれることにも期待しています。今度は、逆に他分野の方からオファーもあったらいいですね。

 「一人よりも複数で知恵を出し合う」これはとても有効だと実感しましたし、本当に勉強になりました。